株式会社歓人

――AI戒名を持参されたご家族の話

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AIで作った戒名を持参された、ご家族の話

ついに来ました。この時が。

2026/05/21

先日、葬儀でご家族からこんな一言がありました。

「戒名を、考えてきたんですが…」

最初は「自分で考えてきた」と思いました。
故人への想いを込めた名前なら、
お坊さんに相談してみて了解を取れるかも知れないし、相談する糸口くらいにはなるかもしれない。
そう思って聞いてみると。

 

「AIにつけてもらったんです。
いま、何でもAIでしょ?」

 

…そうですね。

笑えるような、でも笑えないような話です。


正直に言うと、こういう発想が生まれてくる背景は
わかる気がします。

 

戒名料がいくらかかるのか、わからない。
お布施の相場も不透明。
「どうせ高いんでしょ」という空気がある。

だから「AIで」という話になる。

でも少しだけ、戒名というものについて
知っておいてほしいことがあります。


■ 戒名とは何か

戒名は、死んだあとにつくるものではありませんでした。

もともとは、生きているうちに
仏弟子(ぶつでし)として仏様に誓いを立てたとき、
お坊さんから授かる名前のことです。

「戒」というのは、仏教の戒律のこと。
殺さない、盗まない、嘘をつかない——
そういう誓いを守って生きていく人に
授けられる名前が「戒名」でした。

つまり本来は、死後のものではなく
「この人は仏弟子として生きた」という
生前の証(あかし)だったわけです。


■ なぜ死後につけるようになったのか

日本では仏教が広まるにつれ、
「亡くなった人も仏弟子として送り出したい」
という考え方が定着していきました。

江戸時代になると、幕府が「檀家制度」を定め、
すべての家が特定のお寺に所属することが義務になります。
葬儀はお寺が執り行い、
亡くなった人には必ず戒名が授けられる——
そういう仕組みが全国に広がりました。

これが、「戒名=死後につけるもの」という
イメージが定着した大きな理由のひとつです。


■ 戒名の構造

戒名は、いくつかのパーツで成り立っています。

たとえば「○○院△△居士(こじ)」という形であれば——

「○○院」は院号(いんごう)といって、
寺院への貢献や格式をあらわすもの。

「△△」の部分が戒名の本体で、
故人の人柄・生き方・家族の想いを受けて
お坊さんが選ぶ文字です。

「居士」は位号(いごう)といって、
性別や社会的な立場をあらわす格付けのようなもの。
男性なら「居士・信士」、
女性なら「大姉・信女」などがあります。

宗派によって構造も読み方も変わりますし、
同じ宗派でも地域やお寺によって違います。
「これが正解」という型は、実はひとつではありません。


■ AIには何ができて、何ができないか

AIは、戒名の「形」は作れます。
それっぽい漢字の組み合わせを出すことはできる。

でもAIは、あの人がどんな人生を生きたか知らない。
どんな口癖があったか、何が好きだったか、
家族にどんな言葉を残したか——
そういうことは知らない。

戒名の本体である「△△」の部分は、
そういう話を聞いたうえでお坊さんが選ぶものです。

だからAIが出した文字列は、
戒名の「形」ではあっても、
その人のための名前にはなりにくい。


■ お布施・戒名料のことも正直に

とはいえ、こちらも正直に言います。

戒名料やお布施がいくらか、
事前にわからないまま進んでしまうことが多い。
それが「AIで済ませよう」という発想につながるなら、
葬儀社として反省しなければならない部分もあります。

天翔では、戒名やお布施のことも含めて
事前にできる限りお伝えするようにしています。
わからないことは、何でも聞いてください。


お考えは、人それぞれです。
ただ、後悔だけはしてほしくないので。

家族葬の天翔 代表 大西敬行

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