株式会社歓人

霊柩車の歴史と今の出棺事情

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宮型霊柩車はなぜ消えた?歴史と今の霊柩車事情

宮型霊柩車はなぜ消えた?歴史と今の霊柩車事情

2026/07/14

そういえば最近、あの神輿みたいな屋根がついた霊柩車、見いひんなぁ、と思ったことはありませんか?

昭和の頃はどこでも見かけた、お神輿のような屋根に金色の彫刻がついた車。実はここ数年で、街から急速に姿を消しています。今日はその理由と、今の霊柩車事情についてお話しします。

 

あの車の名前は「宮型霊柩車」

まず、あの車には正式な名前があります。「宮型霊柩車」といいます。

見た目の通り、神社やお寺の屋根を模した装飾が特徴です。この形になったのには、ちゃんと理由があります。

昔、遺体は輿(こし)と呼ばれるものに乗せて、人の手で運んでいました。その輿の屋根が唐破風という形をしていて、これが後の宮型霊柩車のルーツになったと言われています。時代が下って、棺を大八車に乗せて運ぶ「棺車」という形になり、屋根や彫刻といった装飾はこの頃からすでに施されていました。

自動車としての霊柩車が登場したのは大正時代です。1917年に大阪で葬儀社を営んでいた鈴木勇太郎という人物が、日本で最初の霊柩車を考案したとされています。当時すでにアメリカでは霊柩車が使われていて、それを参考にしながら、日本の伝統的な輿の形を取り入れて宮型霊柩車が作られたという説が有力です。

つまり、宮型霊柩車は純粋な日本の伝統というより、外国の文化と日本の伝統が組み合わさって生まれた、意外とハイブリッドな存在だったわけです。

 

その後、宮型霊柩車は戦後からバブル期にかけて日本中の霊柩車のスタンダードとして使われていました。 

 

なぜ、宮型霊柩車を見なくなったのか

理由は一つではなく、いくつかの事情が重なっています。

1つ目は、火葬場が受け入れを控えるようになったこと。
火葬場周辺の住民から、宮型霊柩車の出入りを控えてほしいという要望が増え、それを受けて自治体側が宮型霊柩車の乗り入れを禁止するケースが広がりました。全国霊柩自動車協会の調査では、2016年の時点ですでに全国150以上の火葬場で宮型霊柩車の出入りが規制されていたそうです。富田林斎場や河内長野斎場でも、宮型の霊柩車の乗り入れは無くなっています。

2つ目は、目立ちたくないという気持ちの変化。
「霊柩車を見かけたら親指を隠す」という言い伝えがあるくらい、宮型霊柩車は遠くからでも一目でわかる存在でした。しかし時代とともに、目立ちたくない、近所に知られたくないと考える人が増え、普通の車のような霊柩車で出棺する形が主流になってきたと言われています。 

3つ目は、作れる職人がいなくなったこと。
これは意外と知られていない事情です。宮型霊柩車1台を作るには数千万円かかると言われ、しかも作れる職人自体がほとんどいなくなっています。手入れも大変で、関西では年に一度、表面を削るという手間のかかるメンテナンスをする慣習もあったようです。つまり今残っている宮型霊柩車は、なくなったらそれで終わり、新しく作られることはほぼないというのが実情です。 

 

「不吉だから」ではなく「時代が変わった」

誤解されがちですが、宮型霊柩車自体が縁起の悪いものというわけではありません。

むしろある研究者は、宮型霊柩車は極楽浄土の入口を表していて、現世とあの世をつなぐ架け橋のような、本来は縁起の良い存在だと話しています。 

姿を消した理由は「悪いものだから」ではなく、コスト、住民感情、職人不足という、いくつもの現実的な事情が重なった結果、というのが正確なところです。

 

今の霊柩車は、こんな形

では今、霊柩車がなくなったのかというと、そういうわけではありません。

現在は「洋型霊柩車」と呼ばれる、シンプルで上品なタイプが主流になっています。全体的に黒やし白を基調としたシンプルなフォルムで、高級セダンやステーションワゴンを改造して作られ、車種は国産のセンチュリーやクラウンから、キャデラックやメルセデスベンツ、ボルボといった外国車まで様々あります。 

 

パッと見ただけでは霊柩車だとわからないほど、普通の高級車に近い外観のものも増えています。中には、光岡自動車のガリューのような、クラシックで上質な雰囲気を持つ車をベースにしたものも人気です。

金色の装飾から、艶やかな黒い車体とクロームの輝きへ。「派手に見送る」から「静かに、丁寧に見送る」へと、見送り方の当たり前も、少しずつ変わってきているんですね。

 

おわりに

宮型霊柩車が減っているという話は、単なる車の流行り廃りの話ではありません。「故人をどう見送りたいか」「周りにどう見られたいか」という、私たちの気持ちの変化そのものを映しているように思います。

家族葬の天翔では、派手さよりも、静かで上質な見送りを大切にしています。どんな形であっても、故人への想いは変わりません。

 

いつか、ここで。

家族葬の天翔 代表取締役 大西敬行

家族葬の天翔 代表 大西敬行

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