業界の構造について とくに大手葬儀社における構造的な問題
2025/12/29
効率化の代償
「葬儀社なんて、どこも同じような仕組みだろう」 そう思われている方は多いかもしれません。
しかし、葬儀社の内部構造には、大きく分けて2つのタイプがあります。 一つは、大手に見られる**「完全分業制」。 もう一つは、私たち天翔のような「担当者一貫制」**です。
企業として利益を最大化し、効率よく件数を回すなら、間違いなく前者の「分業制」が正解です。 しかし、それが**「お客様にとっての正解」**かどうかは、全く別の話です。
今回は、あえて業界の裏側にある「構造的な欠陥」についてお話しします。
1. 見積もり担当者の「インセンティブ」という罠
分業制の会社では、最初に相談に乗る人間と、当日お世話をする人間は別の人です。 最初に現れるのは「営業担当」です。
彼らの給料や評価は、多くの場合**「売上(客単価)」**に連動しています。 つまり、彼らには「1円でも高く契約してもらうこと」への強力なインセンティブ(動機)が働きます。
悲しみの中にいるご家族に対し、 「皆様、このランクを選ばれますよ」 「これをつけないと寂しいですよ」 と、必要以上のオプションや高額な祭壇を勧めるのは、彼らが悪人だからではありません。
「単価を上げなければ評価されない」という仕組みの中で働いているからです。 ここでは、お客様の「安く抑えたい」という利益と、担当者の「高く売りたい」という利益が、構造的に対立(利益相反)してしまっているのです。
2. 現場担当者の「不在のモチベーション」
次に、お葬式当日。 ここで現れるのは「施行(せこう)担当」と呼ばれる現場スタッフです。
彼らの仕事は、営業担当が作ってきた「指示書(見積書)」通りに、式を進行することです。
ここには大きな落とし穴があります。 彼らには、ご家族と膝を突き合わせて話した経緯がありません。 また、売上を作る責任もありません。
結果として、彼らのモチベーションは「お客様のために何とかする」ことではなく、**「ミスなく、時間通りに終わらせる」**ことだけに向かいがちです。
「聞いていた話と違う」 「事務的で冷たい」 こうしたトラブルは、営業と現場の断絶、そして現場スタッフに「ご家族への想い入れ」を持つきっかけがないことから生まれます。
3. お別れの後の「セールス」
そして、お葬式が終わった後。 一息つこうとしたタイミングで現れるのが「アフター担当」です。
彼らの目的は、アフターケアを名目にした**「次の契約」**です。 互助会の積立や、仏壇・墓石の販売など、次の売上を作ることが彼らのミッションです。
まるでベルトコンベアのように、お客様は「各担当者のノルマ」の間を流されていく。 これが、効率化を極めた分業制の正体です。
天翔が「非効率」を選ぶ理由
私たち家族葬の天翔は、最初のお電話から、見積もり作成、当日の施工、そしてお別れの後まで、 代表である私、大西が「一貫」して担当します。
私には、上司から課されたノルマも、単価に連動する歩合給もありません。 無理に高いプランを売る理由がどこにもないのです。
逆に、不要なものを売りつけて信頼を失うことのほうが、 地元で生きる私にとっては致命的なリスクになります。
「お客様の満足(後悔のないお別れ)」と「私の利益(信頼の獲得)」が、完全に一致していること。
これこそが、私たちが正直な商売を続けられる根拠であり、 皆様に提供できる最大の「安心」です。
担当者が変わらない。 ただそれだけのことが、お葬式の質を劇的に変えるのです。

